認知症になる前に遺言書を作成すべき理由とは
遺言書はいつでも書けるものと考えて、作成を先延ばしにしている方は少なくありません。
しかし、認知症で判断能力が低下してからでは、遺言を残すこと自体が難しくなり、残せたとしても無効と判断されるおそれが生じます。
本記事では、認知症になる前に遺言書を作成すべき理由と、元気なうちに進めたい準備を紹介します。
認知症の進行が遺言に及ぼす影響
遺言の効力は、作成した時点の判断能力に左右されます。
先延ばしがどのようなリスクにつながるのかを確認しましょう。
認知症が進むと遺言が無効になるおそれがある
遺言が有効に成立するには、遺言の内容と、それによって生じる結果を理解できる遺言能力が作成時に備わっていなければなりません。
認知症と診断されたら直ちに遺言できなくなるわけではなく、有効かどうかは病状の程度や遺言内容の複雑さ、作成の経緯、診断書やカルテの記載を総合して個別に判断されます。
それでも、症状が進んだ状態で作成された遺言は、相続開始後に相続人間で無効確認の調停や訴訟に発展しやすく、公正証書遺言であっても無効とされる場合があります。
認知症になってからの作成は極めて難しい
判断能力の低下が進んで成年後見が開始されると、遺言を残す道はほぼ閉ざされてしまいます。
民法上は、事理を弁識する能力を一時的に回復した時に、医師2人以上の立会いとその旨の付記を得て遺言する方法が残されていますが、実際にこの要件を満たせる場面は多くありません。
本人の意思を財産の行き先に反映させたいのであれば、判断能力が保たれているうちに動くほかないのが実情です。
元気なうちに遺言書を作成するメリット
遺言書は、作成の方式しだいで後日の争いやすさが大きく変わります。
将来の無効リスクまで見据えた準備を心がけましょう。
公正証書遺言なら無効の争いを防ぎやすい
公正証書遺言は、公証人が本人と面談して意思と判断能力を確かめたうえで作成されるため、後から遺言能力を争われても有効性を裏付けやすい方式です。
形式の不備で無効になる心配がほとんどなく、原本が公証役場に保管されるため紛失や改ざんのおそれもありません。
将来の争いに備えて、作成時に医師の診断書を取得しておくと、判断能力の裏付けとしてさらに有効です。
遺言書は残される家族の負担も減らす
有効な遺言書があれば、相続人全員で遺産分割協議を行う必要がなくなり、手続きの負担が大きく軽減されます。
誰に何を残すのかを本人の言葉で示しておくことは、相続人同士の疑心暗鬼や争いを未然に防ぐことにもつながります。
遺言書の作成は、自分のためであると同時に、残される家族への配慮でもあるといえるでしょう。
まとめ
認知症が進んでからの遺言は、作成そのものが難しいうえ、残せたとしても無効の争いを招きかねません。
判断能力が万全なうちに公正証書遺言で意思を残しておくことが、財産の行き先と家族の平穏を守る堅実な方法です。
遺言書の作成をお考えの方は、初回相談無料の桐井法律事務所へお気軽にご相談ください。
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資格者紹介

桐井 弘司Kirii Koji
地域に密着した気軽に利用できる法律事務所を目指してまいります
私は、どのような事件であっても、すべてその背後にはそこに関わる人の思いがなければ争いにならないし、また解決にも結びつかないと考えています。
したがいまして、単なるお金の貸し借りであっても、金銭的な損得に限定することなく、依頼者様がどのような思いで弁護士に相談しようと決断されたのか、どのような解決が本当に満足していただけるのかを常に考え、依頼者様と向き合っていこうと心がけています。
- 所属等
-
- 愛知県弁護士会(27132)
- 経歴
-
- 2000年4月 弁護士登録
- 2002年9月 桐井法律事務所開設
- 2016年4月 平成28年度愛知県弁護士会副会長就任
- 経歴
-
- 子どもの権利委員会 委員
- 広報委員会 記念行事顧問・中京テレビ担当
- 司法修習委員会 委員
- 紛争解決センター運営委員会 委員
- 法教育委員会 委員
- 国際委員会 委員
- 法律援助事業・法テラス対応委員会 被疑者援助部会長
- 人権擁護委員会 委員
- 会則会規等委員会 委員
- 若手会員育成支援特別委員会 委員
- 就職・採用プロジェクトチーム 委員
- 東日本大震災対策本部 委員
- 若手会員支援弁護士 チューター
- 平成26年度、平成27年度、平成29年度 常議員会 委員
- 平成27年度、平成28年度 中部弁護士連合会 理事
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事務所概要
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